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保険制度の問題

Hatch Dental Clinic
悩む男性
悩む男性

日本の根管治療は非常に成功率が低いです。

ある報告によると、大学病院を受診した方のX線写真を撮影したところ、根管治療を施した歯の50-70%に根の先の病気が存在したと書かれています。

つまり日本の根管治療における成功率は、50%以下と言っても過言ではありません。

【参考:小木曽 文内 「再根管治療を考える」日歯保存誌58(3):179,184,2015 九州歯科大学附属病院保存治療科を受診した患者の確定時診断からみた歯内療法の現状 日歯保存誌 2016; 59:343-350】

そして歯根先端の病変(根尖生歯周炎)を治療するということは、根管治療のやり直し、つまり再治療となります。

これを再根管治療と言います。

再根管治療となると厄介で、最初の根管治療(抜髄)に比べ、成功率が著しく下がってしまいます。 アメリカの根管治療専門医であっても、成功率は40~70%程度。 特に難しい部位(上顎第二大臼歯)に至っては再治療の成功率が15%というデータも報告されています。

この低い成功率は、日本の保険制度にも問題があります。

根管治療は保険点数が低く、長い時間をかけて処置を行うことができないのが現状です。

もちろん、ラバーダムも保険点数に加算されません。

完全にサービスになってしまうわけです。

つまり、保険診療で本当に良い根管治療をしようと思ったら、身を切る覚悟、赤字覚悟で挑まなければなりません。

それができる歯科医院が少ない、あるいはほとんどないため、根管治療の成功率は上がらないのです。

理想で言えばイニシャルトリートメント(再根管治療ではなく、最初に歯髄を取る処置の段階)で精密根管治療を行い、確実に成功させることが重要と言えます。

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